もともと日本の住まいは、地元の職人が地元の木材を使って
伝統的な工法で家造りをしていました。
地元の木材を使用することで、山林が更新され、それによって
川下の都市環境も守られていたのです。
しかし、安い外材と新しい工法に押されてこのサイクルは壊れ、
日本の林業は衰退の一途をたどり、山林は荒れはてています。
私たちの住むこの新潟も例外ではなく、山林は瀕死の状態にあります。
「越後にいきる家をつくる会」は、この越後新潟で育まれた丈夫な
県産材を活用した「地域共生の家造り」をすることで、
林業に元気を取り戻し、山林を育て、ひいては都市環境の保全に役立つ事を
目的としています。
本来、家造りは地場産業であり、かつて家を建てるときは地元の山林から
木を伐り出し、町はずれの製材所で木材に挽き、顔見知りの職人が建て上げるのが
普通でした。
そこには、顔の見える関係と意思の通い合いがあり、
建主も少なからず山や木材、職人の技に対する知識を持っていました。
それが、山林や職人の技を守る事にもつながっていたのです。
しかし、現在は、キッチンやサッシのメーカーは知っていても、
柱や梁、床の木材の種類やどこで生産された物かを知る建主はありません。
その結果、健康に好ましくない建材さえ見逃され身近に使用されているケースがあるのです。
顔の見える家造りをすすめる背景には、こうした状況があります。
林業や製材を知ることで、都市環境に自然の恵みをもたらす山や木を知ってもらう。
そのためには、建主に実際に使う木と対面してもらい、そして山の作業も体験してもらいたい
と考えています。
また、建築家や工務店と膝を突き合わせて話し合うことで、在来工法の技や建材について
知識を得ながら、それぞれの暮らしに合った住まい、
自然の素材による健康的住まいの実現をはかってもらいたいと考えています。
顔の見える家造りは、家を建てる人々にとって、木を知る人、
技を知る人、家を知る人と共に、本当に納得のいく『我が家』が実現できるという理想的な
家造り方法でもあります。
「越後にいきる家をつくる会」はハウスメーカーとは全く異なっ
た存在です。
私達はこれをひとつの運動と考えています。つまり「川上」と
「川下」を結び、家を造ることで、越後新潟の林業の再生をはか
り、都市の環境を守るという運動です。
そのために、林業家、製材所、工務店、設計事務所などの協力
を得て組織作りをする一方、ユーザーに呼びかけ共同者を組織化
してその拡大をはかり、越後新潟の木で「地域共生住宅」を少し
でも多く造ることを目的としていきます。